こもれびログ 〜ニューヨーク在住プロダンサーの日々〜

私の目線から、きらきらと輝く毎日について。

プロダンサー生活10ヶ月目、無職(仮)になる。

こんにちは、まみこです。

 

最近は暖かくなってきて、もうすぐ夏かな?って気分になりますね。

皆さんはいかがお過ごしですか?

 

今日は、ニューヨークで働くダンサーという視点から、今の現状を単刀直入にお話しようかなと思います。

 

コロナの影響が出てから約3ヶ月。

人が集う場に収益が集中するエンターテイメント業界、特にライブパフォーマンスを主に仕事にしているダンサー、役者、裏方、音楽家、劇場・スタジオ運営者の方はかなりの打撃を受けています。ツアーや公演の延期、それに伴うリハーサルの延期、スタジオの閉鎖、サマーインテンシブの中止、など。

 

私もその一人です。

 

去年5月に大学を卒業して、6月からプロのモダンジャズダンスカンパニーのメンバーとして、米国内のツアー、公演、高校や大学でのレクチャーなどを他7人のカンパニーメンバーと共にしていました。その他にも週末はラテンダンスのカンパニーとのお仕事、他のパフォーマンスのお仕事や短期のプロジェクト、そして2月末にはフィットネスインストラクターとしての仕事を始めたばかりでした。

 

ニューヨークに移り住んでから、がむしゃらに過ごす毎日は過酷で、疲労感たっぷりで、サブウェイで爆睡するのが日課で、ベッドに倒れて朝になって、、、それでも、やりがいのある、学びのあることばかりでした。

 

3月中旬、だんだんとコロナの影響がニューヨークに出始めた頃。いつものように週末のパフォーマンスのために集合場所のハーレムまで言った時でした。その日は初めて、他のダンサーをまとめ、現場やDJの人とコミュニケーションをとるチームリーダーを任せられていた夜で、めちゃくちゃ緊張していたのを覚えています。衣装を車に積んで、さあ現場に行くぞ!って時に、現場から電話が。”今夜からお店一旦閉めることにしたので、また開いた時に連絡しますね”

 

その日はそのままお家に帰って、、、と。変な予感はしていましたが、州から自宅待機の宣言が出て、とりあえず、すぐ終わるのかな?と初めは軽めに受け止めていました。その後の2、3日で状況がかなり深刻になり、これは本当に大変なことなんだ。ということを肌で感じ始めて。その日から次々と仕事のキャンセルや延期のメールが入ってくるようになりました。

 

カンパニーに所属して仕事をするのと、フリーランサーとして仕事をするのを両方していたのですが、どんな仕事であっても、今はダメだ。というのが答えで、決まっていた全てのパフォーマンス系の仕事はキャンセルか延期になってしまいました。

 

ミュージシャンでもこの2020年内のパフォーマンスを中止した方もいますし、今のところブロードウェイの上演も9月まで延期になっていて、とりあえず、私の場合、秋の公演やツアーの日にちはまだあるのですが、確実な対処がない限り、劇場に人を入れるのは難しい。との声が出ています。

 

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コロナで職を失ったパフォーマーや舞台関係者は、一生をかけて職を目指していた人や本気でその技術と向き合ってきた人たちばかり。特に私の周りの若い世代の人たちは、大学卒業して何年かして、本当に就きたかったプロジェクトや舞台に携わろうとしていた人たちばかりでした。このような形で、全ての仕事がなくなってしまうと、やるせなさや、悔しい気持ち、”果たして私に、この仕事に価値が在るのだろうか?”と一瞬、自問自答したくなってしまうような気持ちになるんです。

 

仕事がなくなった今、私だけでなく、同じ立場にいる他のパフォーマー達は、いろいろな事を感じ取っているのだと思います。

 

この先、一年くらいは元に戻らないであろう。という予測が出ている中、じゃあいつ舞台が戻ってくるんだろう。いつ普段通りに仕事ができるようになるだろう。と不安になることが在るのは事実です。

 

感じるため、伝えるため、共有するための場が、パフォーマンスがなくなってしまっているのがやはり一番悲しくて、悔しいなあと思います。

 

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じゃあ毎日うずくまって暗闇の中泣き腫らしているのか、というと、全くそうではありません。逆に、この時間を利用して自分で何ができるだろう、何がしたいだろう、と頭を回転させ、心と身体と相談しつつ、一日一日を踏みしめて生きてます。

 

この自粛期間中は、馴染みのあることも無いことも、色んな事に足を突っ込んでみたりみなかったりして。環境はだいぶ違えど、オンランでのダンスクラスが始まったり、ストリーミングで見たかったカンパニーの公演映像がみれたり、知らなかった筋肉トレーニングを試してみたり。他にも、読みたかった本が読めたり、健康的に睡眠が取れたり、他の語源を学んでみたり。質は日によってまちまちですが、毎日体調や気分に合わせながら体づくりをしたり、クラスをとったり、休んだり、リズムをつけて過ごしています。

 

狭いニューヨークのアパートでどれだけの動きができるのかというと、足音を気にしたり、音量を気にしたりしながら動かなくてはならないので、感覚的には45〜55%くらいしか体を動かせていない感覚。カンパニーのリハーサルもオンラインになったのですが、音のズレや画面がフリーズする、とかでユニゾンのパートを確認するのも結構難しかったり。

 

けれど、いつもよりもクラスが安かったり、無料で受けられるクラスや募金ベースのクラスがあったりするのは利点かもしれません。久々に見る顔や、画面越しに”一緒に踊っている”感覚を感じられるのは確かにありがたいし、嬉しいものです。

 

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”生きるって難しい”と思うんです。

 

毎日を噛み締めながら生きていくしかできない今が辛いですが、それでも毎日生きていることがありがたいと、そう自分に言い聞かせています。

 

早く、この状況が良くなるといいな。

 

元に戻るのは少し時間がかかるかもしれないけれど、自分ができることを。

過去でも先でもない今に在る、という事を考えながら、毎日を過ごしたいと思います。

 

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長めになりましたが、ちょっとでも、今の状況を過ごしている一人の例として、何か共通点があったり、共感できることがあれば幸いです。

 

どうかこの期間中、自分にも他の人にも、いつもより優しく接してみてください。

少しでも、穏やかな時間が流れることを願って。

 

 

まみこ。

 

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